1. 症状の確認
ノロウイルスに感染すると、感染後1~2日で以下の症状が現れることが多いです:
- 激しい吐き気、嘔吐
- 下痢(水様便)
- 腹痛、腹部の不快感
- 発熱(軽度の発熱が多い)
- 倦怠感、筋肉痛
症状の特徴
・症状は通常1~3日で回復しますが、高齢者や乳幼児では重症化のリスクがあるため注意が必要です。
・ノロウイルスは感染力が非常に強く、少量のウイルスでも感染します。
2. 自宅での対応(治療とケア)
ノロウイルスに対する特効薬はなく、症状を和らげる対症療法が中心になります。
(1) 水分補給(脱水症状の予防)
ノロウイルス感染による下痢や嘔吐で体内の水分が失われるため、こまめな水分補給が重要です。
- おすすめの飲み物:
- 経口補水液(OS-1、アクアライトORSなど)
- スポーツドリンク(薄めると良い)
- 白湯、麦茶
- 味噌汁(塩分補給に)
- 避けるべき飲み物:
- 牛乳(胃腸への負担が大きい)
- コーヒーやアルコール(脱水を悪化させる)
- 炭酸飲料(胃を刺激する)
👉 少量ずつこまめに飲むことが重要! 嘔吐直後は無理に飲まないで、少し落ち着いたらスプーン1杯ずつ飲み始める。
(2) 食事のとり方
- 吐き気や下痢がひどい場合は無理に食べない。
- 症状が落ち着いたら、消化の良いものを少しずつ食べる。
- おかゆ、柔らかく煮たうどん
- すりおろしたリンゴ、バナナ
- 湯豆腐、よく煮た野菜スープ
- 避けるべき食べ物:
- 脂っこいもの(揚げ物、肉類)
- 刺激物(辛いもの、カレー)
- 食物繊維の多いもの(生野菜、海藻)
(3) 安静にする
- 無理をせず、布団でしっかり休養をとる。
- 体が冷えると回復が遅れるので、腹巻きや毛布などでお腹を温めるのも良い。
3. 感染拡大を防ぐための対策
ノロウイルスは人から人へ感染しやすいため、家庭内感染を防ぐことが重要です。
(1) 手洗いを徹底
- 石けんを使い30秒以上しっかり洗う。
- アルコール消毒は効果が弱いため、手洗いが最優先!
(2) 嘔吐物や便の処理方法
- 使い捨ての手袋とマスクを着用し、直接触れないようにする。
- ペーパータオルで拭き取り、すぐにビニール袋に密閉して捨てる。
- 次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤)で消毒(※塩素系消毒剤が有効)。
- 消毒液の作り方:
- 嘔吐物・便の処理には濃度0.1%(漂白剤10mL+水1L)
- ドアノブ・トイレなどの消毒には濃度0.02%(漂白剤5mL+水1L)
- 消毒液の作り方:
- 熱湯(85℃以上)で1分以上加熱するのも有効。
(3) 洗濯・衣類の管理
- 嘔吐物がついた衣類やシーツは熱湯消毒または次亜塩素酸で消毒。
- 洗濯機を使う場合は、他の衣類と分けて洗う。
4. 病院を受診すべきケース
通常は自宅療養で回復しますが、以下の症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
🚨 受診が必要な症状
- 水分をとってもすぐに吐いてしまう
- 下痢や嘔吐が続き、脱水症状がある(口が渇く、尿が出ない、めまい)
- 高熱(38.5℃以上)が続く
- 血便が出る
- 高齢者・乳幼児・持病がある人の症状が重い場合
👉 受診時の注意
- ノロウイルスは感染力が強いため、事前に病院に電話で相談してから受診すると良い。
5. ノロウイルス予防のポイント
- しっかり手洗い(アルコール消毒より石けん!)
- 食品はしっかり加熱(85℃以上で1分以上)
- 生ガキなどの二枚貝は十分に加熱
- 感染者が出た場合、トイレやドアノブを次亜塩素酸で消毒
- 調理器具の熱湯消毒も有効
まとめ
✅ ノロウイルスには特効薬はなく、水分補給・安静・消化の良い食事が基本
✅ 手洗い・消毒・汚物の適切な処理で家庭内感染を防ぐ
✅ 脱水や重症化のリスクがある場合は病院を受診
お大事にしてください!